2013年5月8日水曜日

Nautilus


 たまたま行き当たったNautilus というオンラインの雑誌(英語、紙版もある模様)。Matter, Biology Numbers, Ideas, Culture, Connected というコンセプトで、毎号一つのテーマで関連しあう記事を集めるというもの。パイロット版と第1号が出たばかりのようだが、期待できそう。ネイチャー、ディスカバーなどの共同事業ということらしい(プレスリリース)。

 誌名のノーティラスは「オウムガイ」のことで、そこに科学、数学、神話という、「Matter, Biology, Numbers, Ideas, Culture, Connected」をさらにまとめるジャンルが象徴されているという。生物としてのオウムガイ、殻に体現される数理、ヴェルヌの小説に出てくるノーティラス号……というふうに。

 思い浮かぶ範囲では、フランスには前々から Alliage という、こちらは科学・技術・文化の融合を謳う不定期刊の雑誌があるが、こちらはちょっとハイブラウだしボリュームもあって、なかなか手を出しにくい。日本にも、東大の Synapse, Academic Grooveというプロジェクトがあって、その紙による広報誌が不定期刊で出ているが、こちらはあくまで活動のほうが本体。それからすると、Nautilusは、敷居もそれほど高くなさそうで、雑誌としても充実しているというところか。

 第1号はいきなり「人間の特別なところはどこか」という歴史的な大問題を取り上げている。霊長類学、ロボットあるいはAI(AE=artificial emotion?)、コペルニクス的宇宙、さらには仏教的人間観、等々といった項目が並んでいる。毎月一つのテーマで、毎週1章分ずつ出るとか……問題は読む時間。

 自分では、翻訳という形でしてきたこと、していくことが、この雑誌がしようとしていることと根っこでつながればと願っている(これほど明瞭なテーマで一つにまとまっているわけではないけれど)。ともあれ、日本語版ができたら(Wiredみたいに)翻訳してみたいと思うような雑誌。

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