2013年11月21日木曜日

ハードナッツ!

 橋本愛の風貌から、「お天気お姉さん」なみのクールビューティを主人公にしたものを期待していたのだけれど、その点では期待はずれ。やっぱり数学ができるクールビューティでは魅力がなく、副題にある「数学girl」としては、「数学はできて(好きで)、変だけど、やっぱりかわいいのよ」という方向のほうが収まりがいいということなのだろうか(以前にこのコラムの中の「理数系にナイーブという美徳」の項で似たようなことを書いたけど──最近訳した本には「数学は苦手であることが自慢になる唯一の科目だ」というようなくだりもあった)。

 ドラマが数学の世界から拾ってくる素材はおもしろいし、主人公の設定によっては、「Numb3rs」の向こうを張れるドラマになったかもしれないのに……もっともそれはこちらの勝手な期待。

 しかしこのキャラクター自体は変だ。ただ、いかにも数学者らしいと思わせるような「変」ではない。つまり、数学的な理屈が日常的な感覚に照らして変だから、その人が変に見えるのではなく、そもそも変な人が数学が好きだったというようなことになっている。変な人なのだから数学が好きでもおかしくないか……みたいな見せ方に見える(この、「数学的だから変」と「変だから数学的」が違うと思えるかどうかは、もしかしたら数学に向いているかどうかのチェックポイントかも;)。

 ともあれ、やっぱり数学や科学を人物像の中心に据えるなら、このキャラクターのような「変」な人間味であっても、人間味は「不純物」だと思う(現実の人間の話をしているわけではない。キャラクターとしての造形の話)。数学や科学の強みは、人間的な意味や都合を問わないところにある(得られた成果を人間的に使うということは人間世界にはあっても、当の数学や科学の本体はそれがなくても成立する部分にある)。それを人間味に埋没させたのでは、数学や科学をキャラクターに使う値打ちがないように思う。


 もちろん、私自身の好みの話ということで、悪しからず。

2013年11月14日木曜日

なるほど、しかし……

 リヨンの町のあちこちの建物にトロンプルイユの壁画が描かれているのをテレビで見てああいいなと思ったことがあるが、Illusion of the Week: Japanese Food-Chain Breaks the Curse of OCHOBO! という記事で紹介されてた例を見て、現実の町にとけこむという点では負けていないのではないかと思った。笑えるし。あいにく、ここに紹介されているチェーン店は近辺にはないようで、実物は見たことはない。

 でも、画面には「liberation」とあるが、本当にまだ解放されていなかったのだろうか。確かに大口を開けたくない状況はあるだろうから、逆に、それなら男とて同じではないか? 男用の包装紙を使っている男も(最後にちらっと)出ていたらどうなのだろう。私はもっとおもしろいように思うのだが。


 ちょっと気晴らしに見て回っていた中で見つけた小ネタでした。