2013年4月14日日曜日

「舟を編む」を見た

 ちょっと楽しみにしていた映画。映画には出てこない、あるいは示唆されるだけの、こちらとしてはちょっと知りたくなるような進行もあるのだろうけれど(原作は読んでいない)、十分楽しかった。それと、音楽というかサウンドが少ない。あるところで、ああ音楽が流れていないんだと気づいたときに、それもちょっとうれしかった。さらに、パンフレットがよくできていた(高めだかったけど)。

 どんなに工夫をこらしても、言葉を言葉で定義することは、どこかで同語反復になるのだろう。外へ出て俯瞰しようとしても、やはり地を這っている。もちろん、語りえないことは語りようがないし(「定義」ではなく「語釈」と言われるところが、辞書らしさを表しているのかも)。できあがりは遅すぎて、できたとたん改訂を考えなければならない、要はそんな「まにあわない」作業の積み重ね。ダヴィンチの「何か完成しただろうか」という言葉が思い浮かぶ。ただ、それでも神は細部に宿る(場合によっては悪魔も)。だから「完成しただろうか」は嘆きとはかぎらない。

 映画を見るのには、それなりに時間がかかるので、なかなか見ようという気持ちになれないのがつらいところ。このあいだはたまたまテレビでやっていた「トイレット」の見始めたところのシーンのインパクトについ引き込まれて見てしまったし、これもいい映画だったが(もたいまさこの「クール」は本当にクールだった)、終わるともう午後三時。昼休みには長過ぎる……録画したものはろくに見ていないし。