2015年2月14日土曜日

金星・火星・月の接近

 2月20日から21日の日没後、西の空で見られるとのこと。地球から見える方向が同じということに、どれほどの「意味」があるのかはともかく、珍しいことにはちがいないので(何かがいつになく同じところにかたまっているというのは、自分ではたと気づけば不審に思うだろう)、ぜひ見てみたい──ということで、カレンダーに登録。

 でも、本当にすごいのは、この星が金星で、この星が火星で……というのが特定できるということなんだと思う。こちらは何かの紹介記事を見て(今回はFlipboardでピックアップされた Sky & Telescope誌の記事)、何かの星図を確かめて(自分では Stellarium のお世話になっている)、その方向に見える明るい星を金星だ、火星だと思うわけだけれど、ときどき空を見ていたのでは、前に見たあの星と、今見ているこの星が同じ星だというのは、星座のような目立つパターンで認識できる恒星でもなければ、そう自明のことではないだろう。月の満ち欠けだって、何の知識もなく、何の気なしに見ていたら、周期的な現象だとは思わないし、実際今でも、そういう人はけっこう多そうだ(三日月形の月とか、半月形の月とか、満月形の月とか、何種類かの「月」があって、その日その日に見えるものがたまたま決まっているとか)。

 継続的に追跡していればこそわかることだとは思うが……概略でも星図を何日か分蓄積して、ぱらぱら漫画みたいなのを作っていればわかりやすいのだろうが、紙だっておいそれと手に入らなければ、そうそうできることではない。いかにしてそのことに気づき、そうと確認できたのかというのは、惑星を意識するたびに不思議に思う。夜空が暗かった頃は、惑星それぞれが個体識別できるほど、紛れもない特徴が見えていたのだろうか。


 今回のような出来事は、天体ショーとして興味深いだけでなく、天体現象を認識する人間の知識の蓄積・展開の妙をあらためて思い、さらには「知らないと見えないこと(百聞あっての一見)」があるというシンボルとしても、見るのがいいと思う。

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